初期値効果(デフォルト効果)とは、選択肢が複数提示されたときに、最初に提示された選択肢に従ってしまう心理的傾向です。
初期値効果は、人間が意思決定をする際に、思考やエネルギーを最小限に抑えようとするという性質によるものです。私たちは、常に多くの情報にさらされており、その中から最適な選択をする必要に迫られています。しかし、常に最適な選択をすることは困難であり、そのために多くの思考やエネルギーを費やすことは避けたいと考えます。
初期値効果は、この思考やエネルギーを最小限に抑えようとする性質によって生じます。初期値が提示されると、私たちはそれをそのまま受け入れて、それ以上考える必要がなくなります。これによって、私たちは思考やエネルギーを節約し、他のことに集中することができます。
初期値効果は、私たちの意思決定に大きな影響を与える可能性があります。例えば、保険の加入を促す際に、初期値を「加入」に設定すると、多くの人が加入するようになります。これは、初期値が「加入」であると、私たちは加入をするのが当たり前だと考えるからです。
初期値効果は、企業や政府など、多くの組織が利用しています。例えば、企業は、初期値を「同意」に設定することで、ユーザーが個人情報の提供を同意する可能性が高くなります。政府は、初期値を「節約」に設定することで、国民が節約をするように促します。
初期値効果は、私たちの意思決定に大きな影響を与える可能性があるため、その利用には注意が必要です。初期値を適切に設定することで、私たちの意思決定を誘導することができますが、初期値を悪用することで、私たちの意思決定を誤らせることもできます。
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