心理学用語

不安-解放条件づけ(Anxiety-relief conditioning)とは、心理学における学習理論の一つであり、不安や恐怖などのネガティブな感情と、安心や解放などのポジティブな感情とを関連付ける学習過程を指します。この条件づけは、特定の刺激や状況が安心感や安全感をもたらすことを学習することによって形成されます。

不安-解放条件づけは、1950年代にアメリカの心理学者バーク・エス・スキナーによって提唱されました。スキナーは、犬を対象にした実験で、犬が電気ショックを受けると、犬は不安を覚えます。しかし、犬が電気ショックの直後に、食べ物を与えられると、犬は不安が解放されます。この実験から、スキナーは、不安と解放を関連付けることで、犬は不安を学習することを発見しました。

不安-解放条件づけは、恐怖症や不安障害などの治療に応用されています。例えば、蜘蛛恐怖症の患者に、蜘蛛の絵を見せながら、患者がリラックスするような音楽を聴かせると、患者は蜘蛛の絵に対して不安を覚えなくなります。これは、蜘蛛の絵とリラックスする音楽とを関連付けることで、患者は蜘蛛に対して不安を学習しなかったためです。

不安-解放条件づけは、認知行動療法の一種である曝露療法にも応用されています。曝露療法は、患者が恐怖症の対象に徐々に曝露していくことで、恐怖症を克服する治療法です。曝露療法では、患者が恐怖症の対象に曝露される前に、リラックスするような練習をします。これにより、患者は恐怖症の対象に曝露されても、不安を覚えにくくなります。

不安-解放条件づけは、恐怖症や不安障害などの治療に効果的な学習理論です。しかし、不安-解放条件づけは、すべての患者に効果があるとは限りません。また、不安-解放条件づけは、専門家の指導のもとで行う必要があります。

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実験心理学の魅力(2)


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